クリスマスは特別だと笑う彼の笑顔がなんだかとてもあったかくて、
今までずっとずっとため込んできた君への想いを、あぁなんてことだ、俺はうまく口にすることさえできないでいて、

「ハイドフェルツ」

びくり、と無意識のうちに、不自然なほど肩が揺れた
かけられた声はまさしく愛しい朱秋の声そのもので、
ずっとずっと会いたかったはずなのに、第一声はその存在を疑うようなものだった

「なん、で」
「クリスマスだからさ」

俺がいないと寂しいだろ
言ってることは意味不明で、今起こってることも理解しがたいことだったけれど
にこっと笑う彼が愛しい、その気持ちがぶわっと心に広がって
漸く俺は目の前に広がる現状を理解する、あぁ、こいつはほんとに、

「ただいま」

ぎゅっと抱きしめられて一瞬身を固くした俺だったけれど
変わらない朱秋のぬくもりに俺もそうっとその広い背中に腕をまわした
朱秋は俺をぎゅうっと抱きしめたまま離さないから、その隙に彼の胸にそっと耳を押し付ける
とくん、と規則的に届く朱秋の鼓動、嘘じゃない夢じゃない、
思わず熱くなって目がしらを抑えることもできずに俺は震えるような小さな声で呟いた、

「お、かえり、」

髪にそっと落とされた口づけはまるで奇跡みたいで
頭の中で我も我もと喚くハイドも気にならない、
抱きしめられた体が甘いシロップにどっぷり浸ったみたいに痺れて、ただただ朱秋のことしか考えられなくて
俺はあの時から頭のてっぺんから足の先までお前に恋焦がれてたんだなァ
ずっとお前に言いたかったんだ

その愛しい唇を塞いでしまえば言いたいことも言えなくなることは判っていたけれど
ぐいと引き寄せた朱秋の驚いた間抜けな顔に、ちゅく、と唇を重ねれば、それで彼にはすべてが伝わった様だった

syukangelさま宅ハイドフェルツくんと朱秋くんとハイドくんお借りしました!