がちゃりとあいたドアの先、突っ立っていたのは蜂散さんで
あまりにも突然で驚いて、うわ、と声を上げる間もなくただただ目を見開くばかりの俺に
彼は雪だらけで真っ白になった頭を振りながら言った、
「ねぇ今日一晩泊めて」
この歳で、ベタなサンタクロースだなんて信じない、信じないけれど
「ツユキ?」
呆けた顔の俺に変な顔をしてる蜂散さん、
なんで貴方って人はいつもこうやって唐突に、自分勝手で、しかも家に泊まるとか、なに、それ、
言いたい文句は山ほどあるはずなのに声にならない口が動かない、だってわああ蜂散さん、今日って今日ってイヴなんです、よ
「あ、やっぱいきなりはダメ?、だよな」
漸く苦笑を浮かべた蜂散さん、申し訳なさそうに頭をかいて、ごめんと一言笑うから
ちちちがうんです、!いや、いいやそうなんだけど、常識的にはそうその反応正しいんだけど、!!
俺は何をはじめに言ったらいいのか分からなくなって、でもとりあえず背中を向けようとする蜂散さんをひきとめる、
思わず伸ばした手はちゃんと蜂散さんの右手をつかむのに成功して、
あ、よかった、とほっと胸をなでおろしてから漸くびっくりしている蜂散さんを見上げた、
「い、いいですよ、泊めてあげても、」
震える声で絞り出したのは精一杯の見栄と薄っぺらいプライドだったのに
それでも蜂散さんはその言葉を聞くなりすぐに嬉しそうに笑うから
もう、もうやめてくださいやめてください、心臓はじけちゃうじゃないですか、!!
俺はまた声にならない言葉をごくりと飲み込んで、恥ずかしいことに掴んだままの彼の手さえ離せずにいた
軋俐さん宅ツユキくんお借りしました!このあと二人は仲良く一緒に寝たそうです!((