ずるずると、ひきずったブランケットがなんだか情けなく見えてリャオンはひとつため息をついた
はやくはやく、!と満面の笑顔で手招きをするラムパンの手に少しだけ視線を泳がせてから、
彼はするするとまたブランケットを引きずって歩く
今日は星が綺麗に見れるから、そう言って嬉しそうに外へ飛び出していったラムパンの後を追ってはきたけれど、
「寒いし、寒いし、寒いし、おなかいっぱいで、僕眠たいのに」
呟いた言葉は楽しそうなラムパンには届かずに鼻先を冷やす冬の風に攫われて行ってしまった
本当は、あったかい布団の中で寝ちゃいたいのに、とリャオンは顔をしかめる
ポンポンと肩をたたかれて首を傾ければ、後ろからあくびを飛ばしながらついてきていたのはハルハだった
「寒いなー…、!あいかわらず、俺にはきつすぎる季節だぜェ…」
ぽつぽつと勝手な言葉をつぶやきながらわざとらしく体を震わせて見せる彼に
リャオンも思わず小さく微笑んで、彼の手に抱えられたクッキーの袋から勝手に一枚頂くことにする
こういうときはやっぱしっぽもふもふするのが一番なんだよなァ!と一人でしっぽ美学を吐きだし続けるハルハは、リャオンがクッキーを食べようとお構いなしの様だ
なんだ、つまんないなぁ
リャオンはまた盛大にため息をついて、ふっと月の綺麗な冬空を見上げる
ラムねぇが、冬は空気が澄んでるから星が綺麗に見えるのよ、って笑ってたっけ
ハマにぃはばればれだって言うのに、せっせとサンタの衣装まで準備してたし
よくよくみれば、ハルハの持ってたこのクッキーだってご丁寧にもサンタクロースの形してる
「僕、冬は嫌い」
くわぁ、とあくびをかますハルハに反応がないところを見ると、リャオンの言葉は届かなかったらしい
それでもリャオンはブランケットを引きずってラムパンの笑顔を見ながら
小さく微笑んでその言葉を繰り返した
「でも、去年よりはちょっとだけ好きかな」
ラムねぇもハマにぃもハルハも本当は大好きみたいだけど、僕はそう簡単にはいかないからね
リャオンが見上げた夜空には、数えきれないぐらいの星たちが笑っていた
レオ太さま宅ハマキンくん、ラムパンちゃん、リャオンくん、ハルハくんお借りしました!